テンプレートを作成すると、通常は単一のプロバイダーによって管理されます。このプロバイダーは、ソースとなる仮想マシンが属するプロバイダーと同じです。複製がテンプレートから展開され、テンプレートの作成に使用されたプロバイダーと同じプロバイダーで実行されます。複製されたホストは、通常はストレージエリアネットワーク(SAN)などの一元化された共有ストレージに保存されます。
Parallels RAS 18 から、管理者はテンプレートを作成し、そのテンプレートを複数の Microsoft Hyper-V ホストに配信できるようになりました。その結果、Parallels RAS Console に表示されるテンプレート構成は、複数の Microsoft Hyper-V ホストで共有され、各ホストのローカルストレージには、テンプレートの独自コピーが配置されます。これにより、複製を一元化された共有ストレージだけでなく、複数の独立した Microsoft Hyper-V ホストのローカルディスクにも展開できます。必要な数の Microsoft Hyper-V ホストをテンプレート配信リストに追加することで、簡単にスケールアウトを実行できます。
テンプレート配信は、[Parallels テンプレートの作成ウィザード](次のサブセクションで説明)の [配信] ページで構成します。テンプレート配信機能を使用する予定がある場合は、ウィザードを実行する前に、以下の**「前提条件」**サブセクションをお読みください。
マルチプロバイダーのテンプレート配信の管理について詳しくは、「マルチプロバイダーのテンプレート配信の管理」も参照してください。
前提条件
テンプレート配信は、スタンドアロンの Microsoft Hyper-V Server 2012R、2016、2019、2022 でサポートされます。
すべてのターゲットプロバイダーでは次の項目が同一でなければなりません。
- プロバイダーのタイプとサブタイプ。
- ホストが配置されるフォルダーのパス。
- ホストが接続される仮想スイッチの名前。
Hyper-V ホストは、ドメインに参加している必要があります。現在の実装では、テンプレートの完全な VM コピーを使用して、Hyper-V ライブマイグレーションの仕組みによって、テンプレートを他のホスト(ローカルストレージ)に配信しています。
注: 完全な複製も、ライブマイグレーションを使用して他のホストに移行できますが、プロセスには時間がかかります(テンプレートの初回コピーと同程度)。
ソースとなる VM をホストする Microsoft Hyper-V サーバーをターゲットホストとして使用することもできます。
テンプレートを配信して複製を作成するターゲットホストを選択する前に、利用可能なストレージ領域が十分にあることを常に確認してください。
Hyper-V 設定では、次のように Kerberos 認証が有効化されており、適切な委任が AD で構成されている必要があります。
- ホストマシンの [Hyper-V の設定] に移動し、Kerberos を使用したライブマイグレーションを有効にします。
- [Active Directory ユーザーとコンピューター] に移動し、各 Hyper-V ホストサーバーで、移行先と移行元のすべてのサーバーで“cifs”および“Microsoft Virtual System Migration Service”の委任を有効にします。
注: 認証が機能しない場合は、[任意の認証プロトコルを使う] オプションを変更してみてください。