Parallels RAS ファームには少なくとも 1 つのサイトが必要ですが、必要な数のサイトで構成することができます。
多くの場合、サイトは管理や場所の機能を分割する目的で使用されます。たとえば、サイトを作成することで、ファームのフル権限を付与することなくサイト管理者に権限を委任できます。また、エンドユーザーか(ニーズによっては)バックエンドサーバーに近い RD セッションホスト、プロバイダー、PC を使用しながら、同じ設定を各サイトにコピーする機能を使用して、別の物理的な場所に独立したサイトを配置できます。このことは、たとえば、データベースサーバーの近くに配置された RD セッションホストで公開されているデータベースにクエリを実行するクライアント/サーバーアプリケーションで意味があります。
各サイトは、同じファーム内の他のサイトと完全に分離されています。ファームは、サイトを論理的にグループ化し、各サイト(および各サイトを構成するオブジェクト)の構成プロパティを単一のデータベースに保存したものです。サイト間で互いに通信することはなく、オブジェクトやデータを共有することもありません。このルールの唯一の例外が、RAS ライセンスサイトです。これは、統計を取得するために他のサイトと定期的に通信します。
1 つのサイト内の個別のオブジェクトの設定を、それ以外のすべてのサイトに複製できます。これは、サイト間で設定が共有されるという意味ではありません。選択した設定が、他のサイトにも適用されるだけです。詳細については「サイト設定の複製」セクションを参照してください。
Parallels RAS をインストールするときには、1 つのサイトを持つファームが自動的に作成されます。この最初のサイトが RAS ライセンスサイトおよびメインの Parallels RAS 構成データベースのホストになります。ファームにさらにサイトを追加すると、追加されたサイトすべてにこのデータベースのデータが自動的に同期されます。特定のサイトに変更が適用されたときは、メインの構成データベースが自動的にアップデートされ、変更内容が反映されます。
各サイトには、エンドユーザーにリモートアプリケーションとデスクトップを公開するため、少なくとも以下のコンポーネントがインストールされていることが必要です。
プライマリ RAS Connection Broker
RAS Secure Gateway: あるサイトがテナントとして RAS テナントブローカーに参加する場合、RAS Secure Gateway は不要です。詳細については、「RAS マルチテナントアーキテクチャ」を参照してください。
RD セッションホスト、VDI、または PC
デフォルトのインストールオプションを使用して Parallels RAS をインストールするとき、プライマリ RAS Connection Broker と RAS Secure Gateway は、インストールを実行するサーバーに自動的にインストールされます。その後、1 つまたは複数の RD セッションホストをサイトに追加して公開済みのリソースをホストできます。必要な場合はファームにさらにサイトを追加し、各サイトに個々のコンポーネントを自由に構成することもできます。