ホストにインストールされた RAS ゲスト Agent は、UDP ポート 30006 を介してサブネット内のすべてのデバイスにブロードキャストパケットを送信することにより、RAS Provider Agent を検出します。
Agent のブロードキャストドメインが異なると、検出パケットは受信されません。この場合、レジストリで Provider Agent の IP を指定する必要があります。
Provider Agent の IP を指定するには、
ホスト上で Windows レジストリを開きます。
次のキーに 2XVDIAgent
という名前の新しい文字列値を追加します。
32 ビットシステム: HLKM > Software > Parallels > GuestAgent
64 ビットシステム: HLKM > Software > WOW6432Node > Parallels > GuestAgent
値は、次のように指定する必要があります。
専用の RAS Provider Agent を使用する場合、値には、Agent がインストールされているサーバーの FQDN または IP アドレスを設定してください。
組み込みの RAS Provider Agent を手動で選択して使用する場合は、値に RAS Publishing Agent の FQDN または IP アドレスを設定してください。
ビルトイン RAS VDI Agent を使用し、Agent が自動的に選択される場合(高可用性)、文字列には、すべての RAS Publishing Agent の FQDN または IP アドレスを、セミコロンで区切って含める必要があります(例: <PA1 アドレス>;<PA2 アドレス>;<PA3 アドレス>
)。
注: 手動エージェント選択シナリオ(上記の 2 番目の項目)でも、複数の Publishing Agent の名前または IP アドレスを含めることができます。このようにすれば、VDI プロバイダーの推奨 Publishing Agent を切り替えるたびに値を変更する必要はありません。
注: テンプレートとして使用されるホストにレジストリキーを追加すると、そのホストのクローンはキーを継承します。
ホスト上で RAS ゲスト Agent サービスを再起動し、変更を適用します。
Parallels RAS VDI の使用時には、テンプレートベースおよび非テンプレートベースの 2 つの基本的なホストのタイプを利用できます。このトピックは、両方のホストタイプの管理タスクについて説明します。タスクが特定のホストタイプに当てはまる場合はそれを明記します。
ホストリストを表示する
非テンプレートベースのホストのリストを表示するには、[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [デスクトップ] を選択します。リストにフィルターを適用していた場合、虫眼鏡アイコンをクリックして解除します。フィルターが適用されていないリストには、RAS ファームで利用できるすべてのデスクトップが含まれます。ゲスト VM(テンプレートベースおよび非テンプレートベース)、プールからのゲスト VM(RAS またはネイティブ)、およびプールベースのリモート PC が含まれます。従って、[デスクトップ] タブでは、1 か所ですべてのデスクトップを確認できます。ここでは、標準的なデスクトップ管理作業すべてを [タスク] メニューから実行できます。再作成、削除、割り当て、割り当て解除、開始、停止、サスペンド、リセット、セッションの表示などを実行できます。再起動操作(猶予)には 10 分間のタイムアウトがあります。この時間内に操作が完了しない場合は、リセット操作(強制)となります。
テンプレートから作成されたホストのリストを表示するには、[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [テンプレート] を選択します。テンプレートを選択し、[タスク] > [ホストを表示] をクリックします。これにより、[デスクトップ] タブに切り替わります。このタブでは、テンプレートに属する VM だけが表示されるよう、自動的に絞り込まれています。上述のように、このタブでは電源の操作を含む標準的なデスクトップ管理操作すべてを実行できます。このセクションで後ほど詳細に説明します。
特定のプールのホストだけを表示するには、[プール] タブでプールを選択し、[タスク] > [プール内のホストを表示する] をクリックします。
[デスクトップ] タブ内のフィルターは、虫眼鏡アイコンをクリックして、リスト最上部に表示されるフィールドにフィルター条件を入力することで、手動でも適用できます。
サイトの既定値
テンプレートから作成されたホストはテンプレートの設定を継承します。設定を表示するには、ホストがどのテンプレートをベースとしているかをメモしてから、そのテンプレートのプロパティを表示します。具体的には、[設定] と [セキュリティ] のタブを確認します。詳細については、「サイトのデフォルト値」を参照してください。テンプレートでは、サイトのデフォルト設定を継承することも、カスタム設定を指定することもできます。
非テンプレートベースのホストには固有の設定があります。一部(具体的には設定とセキュリティです)はサイトのデフォルト値から継承されます。非テンプレートベースの VM の設定を確認するには、[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [デスクトップ] に移動します。テンプレートに属していないホストは、[テンプレート] 列の値が空白になります。テンプレートを右クリックし、[プロパティ] を選択します(テンプレートベースのホストにはこのメニューオプションがありません)。
RAS Guest Agent のステータスの確認
ホストには RAS Guest Agent をインストールする必要があり、Agent は Parallels RAS のバージョンと適合している必要があります。テンプレートからホストを作成すると、Agent がデフォルトでインストールされます。ネイティブのハイパーバイザーツールを使用してホストが作成されている場合は、Agent がインストールされていない可能性があります。この場合、ホストはリモートデスクトップに対してのみサービスを提供します。サーバーアプリケーションやドキュメントに対するサービスを有効にするには、Agent をご自身でインストールする必要があります。
RAS Guest Agent がホストにインストールされているかどうか、そしてそれが最新であるかどうかをチェックするには、次の操作を実行します。
リストでホストを選択し、[タスク] > [トラブルシューティング] > [Agent をチェック] をクリックします。
[Guest Agent の情報] ダイアログが開き、RAS Guest Agent の情報が表示されます。
Agent がインストールされていない場合、[インストール] ボタンをクリックして指示に従います。ホスト内で実行されている Windows に Agent がプッシュインストールされます。
ホストを削除する
テンプレートベースのホストを削除するには、該当の VM を選択してから [タスク] > [削除] をクリックします。
重要: ホストは必ず RAS Console から削除する必要があります。ハイパーバイザーのネイティブクライアントやウェブインターフェイスを使用してホストを削除しようとしないでください。実行すると、VM だけでなく、親テンプレートも削除される可能性があります(その結果、このテンプレートからリンク複製として作成された他のすべてのホストも無効になります)。これは、一部のネイティブのハイパーバイザークライアントがリンク複製をスタンドアロン VM として扱うためです。Parallels RAS は、リンク済みの複製をスタンドアロン VM ではなく、複製として処理します。
準備に失敗したホストの管理
準備段階でテンプレートベースのホストに問題が発生した場合、その VM はサーバーに残りますが、使用することはできません。[ゲスト VM ステータス] 列の「作成に失敗」という値により、このような VM を特定できます。このような VM は、修正されない限り、サイトのデフォルト値で指定した時間が経過した後に、自動的に削除されます。サイトのデフォルト値を確認するには、次の操作を実行します。
[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [デスクトップ] を選択してから、[タスク] > [サイトのデフォルト値] をクリックします。
開いたダイアログの [全般] タブで、[準備に失敗したホストを自動削除するまでの時間] オプションを(必要に応じて)表示または変更します。有効な期間は、ドロップダウンリストから選択するか、”8 日間”や”12 時間”などの値を入力することで設定できます。
ホストを再作成する
テンプレートベースのホストに何かが発生し、使用不能になった場合、削除して新しいホストを作成する必要はありません。その代わり、名前、MAC アドレス、その他のプロパティを保持したまま再作成することができます。このようにすれば、サイト設定が破損したホストに依存していた場合でも、他のサイト設定は影響を受けません。ホストを再作成するもう 1 つの理由は、(再作成コマンドを実行せずにメンテナンスを終了するときに)テンプレートに加えられた変更を適用するためです。
なお、再作成された VM では、以下のプロパティが保持されます:
MAC アドレスは、ESXi、vCenter、Hyper-v、Hyper-v Failover Cluster、Nutanix AHV(AOS)、SC//HyperCore で保持されます。
BIOS の UUID は、ESXi と vCenter で保持されます。
DRS グループは vCenter で保持されます。
ホストを 1 つ以上作成するには、次の操作を実行します。
Parallels RAS Console で、[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [テンプレート] に移動します。
展開済みのホストをすべて再作成するには、[タスク] ドロップダウンリストをクリックして、[すべてのホストを再作成] を選択します。
特定のホスト(または複数のホスト)を再作成するには、[タスク] > [ホストを表示] をクリックします。これにより、[デスクトップ] タブが開き、ホストのリストが表示されます。1 つまたは複数のホストを選択してから、[タスク] > [再作成] をクリックします。
ホストを再作成する場合:
この手順により VM が削除され、同じテンプレートから新しい VM が作成されます。
新しいホストでは、置き換える対象と同じコンピューター名が保持されます。
ホストが実行中である場合、そのメモリーの中にある保存されていないすべてのデータが失われます。そのため、重要なデータは外部ストレージに保存する必要があります。
ホストは、特定のユーザーまたはデバイスに割り当てられたときに「パーシスタント」となります。ホストをパーシスタントにするには、次の操作を実行します。
ホストからのデスクトップまたはリソースの公開を開始します。
[バーチャルゲストの設定] オプションを指定する場合、[ホストに対する静的割り当てを有効化] を選択します。
公開ウィザードを終了します。
これにより、デスクトップやリソースを使用する最初のユーザーやデバイスに VM が割り当てられます。ユーザーとデバイスの割り当てを切り替える方法については、「サイトのデフォルト値(VDI)」のサブセクション、「一般」を参照してください。
ホストをユーザーまたはデバイスに手動で割り当てることもできます。このためには、次の操作を実行します。
[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [デスクトップ] に移動します。
ホストを選択し、[タスク] > [割り当てる] をクリックします。ホストをユーザーまたはデバイスに割り当てることもできます。ユーザーとデバイスの割り当てを切り替える方法については、「サイトのデフォルト値(VDI)」のサブセクション、「一般」を参照してください。
ユーザーに割り当てる場合は、Active Directory に登録されているユーザーを指定します。
デバイスに割り当てる場合、以下のオプションのいずれかを選択します:
[Active Director から追加] では、Active Directory のドメインに参加しているデバイスを追加できます。
[既知のデバイスから追加] では、RAS デバイスマネージャーで既知となっているデバイスを追加できます。
[カスタムエントリーを追加] では、デバイス名を手動で入力できます
これにより、ホストが選択したユーザーに割り当てられます。
パーシスタントホストを表示するには、[ファーム] > <サイト> > [VD] > [デスクトップ] に移動します。パーシスタントホストは、[割り当て] 列の**“パーシスタント”**という値により識別されます。
ホストからパーシスタンスを削除するには、次のいずれかを実行します。
[デスクトップ] タブでホストを選択して、[タスク] > [割り当て解除] をクリックします。
[ファーム] > <サイト> > [VDI] > [デスクトップ] に移動し、[タスク] > [サイトのデフォルト値] をクリックします。開いたダイアログで、[以下の時間使われていない場合は、自動的にパーシスタントデスクトップを削除する] オプションを使用して、パーシスタンスの自動削除を実行するまでの経過時間を選択します。希望の期間を指定することもできます(例: ”1 週間と 3 日間“)。