ユーザープロファイルディスクを構成するには、以下の設定を指定します。
このホストに別の設定を指定する場合は、ホストの [プロパティ] ダイアログで、[デフォルト設定を継承] の選択を解除します。
[テクノロジー] セクションで、[ユーザープロファイルディスク] を選択します。
ドロップダウンリストで、次のいずれかを選択します。
変更しない: 現在のサーバー設定を保持します(デフォルト)。
有効: ユーザープロファイルディスクの機能を有効にします。
無効: この機能を無効にします。
[詳細プロファイルディスク設定を構成] ボタンをクリックして、[ユーザープロファイルの詳細設定] ダイアログを開きます。
[ディスク] タブで、以下を指定します。
ディスクの場所: 前の手順で [有効] を選択した場合、ユーザープロファイルディスクが作成されるネットワークロケーションを指定します。Microsoft Windows UNC フォーマットを使用して場所を指定します(例: \\RAS\users\disks
)。サーバーはディスク共有でフルコントロール権限を持つ必要があることに注意してください。
最大サイズ: 許可されている最大のディスクサイズを入力します(ギガバイト単位)。
[フォルダー] タブで、以下を指定します。
すべてのユーザー設定とデータをユーザープロファイルディスクに保存: 除外リストで指定されたフォルダーを除くすべてのフォルダーが、ユーザープロファイルディスクに保存されます。除外リストにフォルダーを追加またはフォルダーから削除するには、[+] ボタンまたは [-] ボタンをクリックします。
次のフォルダーのみユーザープロファイルディスクに保存: 包含リストで指定されたフォルダーのみがユーザープロファイルディスクに保存されます。2 つの包含リストがあります。最初のリストには標準のユーザープロファイルフォルダー(デスクトップ、ドキュメント、ダウンロード、など)が含まれ、含めるフォルダーを選択できます。2 番目のリストで追加フォルダーを指定できます。[+] ボタンまたは [-] ボタンをクリックして、フォルダーを追加または削除します。
ユーザープロファイルディスクを有効にする場合、変更を適用するためにサーバーを再起動する必要があります。
ユーザープロファイルは、特定のユーザーに関する設定とアプリケーションデータの集合です。Parallels RAS などのパーシスタントでないリモート環境では、一貫したユーザーエクスペリエンスを提供するために、ユーザープロファイルを保持する必要があります。ユーザープロファイルデータをネットワーク上の場所に保存して、サインイン時間を最小限に抑え、ホスト、クライアント、およびプロファイルストレージ間のファイル I/O を最適化することで、これを実現できます。
Parallels RAS では、以下のテクノロジーをサポートすることでユーザープロファイルを管理しています。
ユーザープロファイルディスク: [RD セッションホスト限定] これは、専用のファイル共有にユーザーアプリケーションデータを保存する仮想ハードディスクです。このディスクは、ユーザーがセッションホストにサインインするとすぐにユーザーセッションにマウントされ、ユーザーがログアウトするとアンマウントされます。
注: Microsoft は、ユーザープロファイルディスクテクノロジーの開発に積極的ではありません。FSLogix のプロファイルを移行することをお勧めします**。[ユーザープロファイルディスク]** オプションは旧式化しているため、VDI と Azure Virtual Desktop では使用できません。
FSLogix: パーシスタントでない環境向けのリモートプロファイルソリューションです。FSLogix プロファイルコンテナーにより、ユーザープロファイル全体をリモートの場所にリダイレクトし、パーシスタントでない環境でユーザーコンテキストを維持し、サインイン時間を最小限に抑え、互換性の問題を排除するネイティブプロファイルのユーザーエクスペリエンスを提供できます。FSLogix プロファイルコンテナーは、ローミングプロファイルおよびユーザープロファイルディスクの後継技術として利用されることの多いプロファイル管理ソリューションです。
ユーザープロファイルは、下記向けに構成できます。
RD セッションホスト
VDI
Azure Virtual Desktop
ユーザープロファイル設定は、サイトレベル(サイトのデフォルト値)で上記向けに構成されます。RAS 管理者が特定のコンポーネントにカスタム設定を使用することを決定した場合は、個別のコンポーネント向けに構成することもできます。
サイトレベルでユーザープロファイルを構成するには、[ファーム] > [サイト] に移動し、[タスク] > [サイトのデフォルト値] メニューをクリックして以下のいずれかを選択します。
RD セッションホスト
VDI
AVD マルチセッションホスト
AVD シングルセッションホスト
表示された [サイトのデフォルト値] ダイアログで、[ユーザープロファイル] タブを選択します。最適化を構成する場合、上述のいずれについても同一のユーザーインターフェイスが使用されます。
次のセクションでは、ユーザープロファイルの機能を構成する方法について詳しく説明します。
このトピックでは、Parallels RAS で既存の FSLogix プロファイルコンテナーの管理を構成する方法について説明します。FSLogix プロファイルコンテナーの構成により、プロファイルをリダイレクトされる場所と方法を定義できます。通常、プロファイルの設定はレジストリ設定や GPO で行います。Parallels RAS では、外部ツールを使用せずに、Parallels RAS Console または RAS 管理ポータルからプロファイルを構成することができます。
ご利用いただく前に
Parallels RAS で FSLogix プロファイルコンテナーを構成する前に、以下の点に注意してください。
プロファイル自体を変更する必要はなく、既存のプロファイルをそのまま使用できます。
FSLogix プロファイルコンテナーのロケーションとして、SMB ネットワーク共有やクラウドキャッシュなど、既存のロケーションを引き続き使用できます。
準備
準備として以下の手順を実行します。
既存のプロファイルをバックアップします。プロファイルデータが喪失または破損することはほとんどありませんが、プロファイル構成を変更する前に有効なバックアップを取得しておくことをお勧めします。
FSLogix プロファイルコンテナーの GPO 構成をオフにします。GPO からの FSLogix プロファイル管理と Parallels RAS からの管理を同時に有効にすることはできません。それで、この手順が重要になります。
RAS ファーム内のホストで FSLogix プロファイルを設定する前に、ホストでユーザーセッションが実行されていないことを確認してください。業務時間外のメンテナンス期間に移行作業を行うことも考慮できるでしょう。
GPO と FSLogix の構成を複製する
Parallels RAS で既存の FSLogix プロファイルコンテナーを構成するには、既存の GPO を Parallels RAS の FSLogix 構成に複製する必要があります。これは、Parallels RAS Console または Parallels RAS 管理ポータルで実行できます。
RAS Console でプロファイルを設定するには:
の指示に従い、[ディスク] タブを開きます。
[プロファイルディスクの場所] リストボックスで、FSLogix プロファイルを保存する既存の SMB またはクラウドキャッシュの場所を指定します。さらに、プロファイルディスクのフォーマット、割り当てタイプ、既定サイズを指定します。
ユーザーの除外やフォルダーの除外など、サーバー上にある FSLogix の他の設定を行います。
RAS 管理ポータルでプロファイルを構成するには:
[インフラストラクチャ] > [RD セッションホスト] に移動します。
リストからホストをクリックして、[プロパティ] をクリックします。
中央のペインで [ユーザープロファイル] をクリックします。
RAS Console では、上記の手順で設定を行います。
なお、本ガイドの執筆時点で RAS 管理ポータルは、FSLogix プロファイルコンテナーの使用に供する RD セッションホストの構成目的でのみ利用できます。その他のホストタイプの場合は、デスクトップベースの RAS Console をご利用ください。
推奨事項とテスト
前のセクションの手順を実行する場合、RAS ファームに存在する複数の(またはすべての)サーバーをまとめて構成することは避けてください。1 台のサーバー(例: RD セッションホスト)から着手し、1 人のユーザーを接続した上でテストを行ってください。その後、他のサーバーを設定し、同一ユーザーが複数のサーバーに連続してログインするテストを行います。このテストで、いずれのセッションホストでもプロファイルが読み込まれ、カスタマイズされた機能が利用できることを確認します。特に問題がなければ、他のホスト、ホストプール、またはサイトのデフォルトを構成します。
RAS ユーザーは、Parallels RAS によって集中管理される、既存の FSLogix プロファイルコンテナーを使用して Parallels RAS に接続することが可能です。
注: 既存の FSLogix プロファイルコンテナーがあり、その構成を Parallels RAS で管理したい場合は、の追加説明を参照してください。
サポートされる FSLogix リリース
Parallels RAS は、リリース 2210 hotfix 2 までの FSLogix リリースでテストされています。
インストール方法の構成
特定のサーバーまたはテンプレート向けに FSLogix を構成する(本ガイドで後述します)前に、次のようにサイトレベルで FSLogix のインストール方法を構成する必要があります。
[ファーム] > [サイト] > [設定] に移動し、[機能] タブを選択します。ここで、Parallels RAS が FSLogix を個別のホストにインストールするために使用する方法を選択する必要があります。以下のいずれかを選択できます。
手動でインストールする: すべてのホストで FSLogix を手動でインストールする場合は、このオプションを選択します。このオプションが選択された場合、Parallels RAS はホストで FSLogix のインストールを試行しません。
オンラインでインストールする: このオプションを選択すると、FSLogix がインターネットからセッションホストにインストールされます。ドロップダウンリストから、サポートされる FSLogix のバージョンを 1 つ選択するか、[カスタム URL] を選択し、ダウンロード URL を指定します。[最新情報を検出] ボタンをクリックして、最新の FSLogix バージョンの URL を自動で取得します。
ネットワーク共有からインストールする: ネットワーク共有に FSLogix インストールファイルがあり、その場所を指定する場合はこのオプションを選択します。
RAS Connection Broker からプッシュする: このオプションを選択すると、FSLogix インストールアーカイブを RAS Connection Broker サーバーにアップロードできます。セッションホストで FSLogix を有効にすると、RAS Connection Broker サーバーからホストにプッシュインストールされます。
完了したら、RAS Console で [適用] をクリックして、変更を Parallels RAS に適用します。
FSLogix のアップグレード
上述のダイアログを使用して、FSLogix を新しいバージョンにアップグレードすることもできます。アップグレードするには、次のいずれかを実行します。
[オンラインでインストールする] を選択し、表示される FSLogix ビルドの 1 つを選択するか、カスタム URL を指定します。[最新情報を検出] ボタンをクリックし、最新の安定した FSLogix ビルドの URL を取得します。
Microsoft のウェブサイトから新しいバージョンをダウンロードし、ネットワーク共有に配置するか、RAS Connection Broker サーバーにアップロードします。続いて、[ネットワーク共有からインストールする] または [RAS Connection Broker からプッシュする] のいずれか該当する方法を選択します。
FSLogix が 1 つまたは複数のホストにすでにインストールされており、上記のいずれかを実行して新しいバージョンの FSLogix が利用可能になると、FSLogix がインストールされているホストでアップグレードされます。ホストにインストールされているバージョンよりも古いバージョンを指定した場合は、FSLogix はダウングレードされます。
サイトのデフォルト値と FSLogix のホストの構成
サイトのデフォルト値または FSLogix の個別ホストを構成するには、以下のいずれかを実行します。
サイトのデフォルト値を構成するには、[ファーム] > [サイト] に移動し、[タスク] > [サイトのデフォルト値] > [RD セッションホスト] をクリックします(または、[VDI] をクリックして VDI のデフォルト値を構成するか、[AVD] オプションの 1 つをクリックして Azure Virtual Desktop のサイトのデフォルト値を構成します)。
個別のホストを構成するには、[ファーム] > [サイト] > [RD セッションホスト] に移動します。ホストを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
RD セッションホストをファームに追加すると、FSLogix 設定が [ユーザープロファイル] ページで指定されます。
[サイトのデフォルト値] または [プロパティ] ダイアログで、[ユーザープロファイル] タブを選択し、以下のオプションを指定します。
ホストの [プロパティ] ダイアログ(もしくは新しいホストまたはテンプレートを追加するウィザード)が表示されている状態で、このホストに対して別の設定を指定するには、[デフォルト設定を継承] オプションの選択を解除します。
[テクノロジー] セクションで、[FSLogix] を選択します。
[展開の方法] フィールドに、サイトレベルで構成され、現在設定されている展開の方法が表示されます(上記の説明を参照)。[変更...] リンクをクリックして別の方法を選択できます。この操作を行うと、サイトの設定が変更され、サイトのすべてのホストに変更が適用されます。
プロファイルコンテナーを使用したい場合は、[プロファイルコンテナーを使用する] オプションを選択します。[構成] ボタンをクリックして、設定を構成します。
ユーザーとグループタブ: ユーザーとグループの包含リストと除外リストを指定します。デフォルトでは、すべてのユーザーが FSLogix プロファイルの包含リストに追加されます。一部のユーザープロファイルをローカルのままにする場合は、該当のユーザーを除外リストに追加できます。ユーザーとグループは両方のリストに追加できますが、除外リストが優先されます。
フォルダータブ: フォルダーの包含リストと除外リストを指定します。共通フォルダーから選択することも、手動でフォルダーを指定することもできます。フォルダーはユーザープロファイルのパスに配置する必要があります。ご注意ください。
ディスクタブ: プロファイルディスクの設定を指定します。場所の種類: プロファイルディスクの場所の種類(SMB の場所、またはクラウドキャッシュ)を選択し、1 つまたは複数の場所を指定します。プロファイルディスクの場所: プロファイルディスクの場所(1 つまたは複数)です。これは、VHD(X)ファイルの場所(FSLogix ドキュメントに記載されている、レジストリ内の VHD の場所の設定)です。プロファイルディスクのフォーマット: 要件に応じて、VHD または VHDX を選択します。VHDX はより新しいフォーマットであり、より多くの機能を備えています。割り当てタイプ: [動的] または [フル] を選択します。この設定は、[デフォルトサイズ] の設定(以下を参照)と一緒に使用して、プロファイルのサイズを管理します。[動的] を選択すると、割り当てられたデフォルトサイズにかかわらず、プロファイルコンテナーは最低限のディスク領域を使用します。ユーザープロファイルにより多くのデータが入力されると、ディスクのデータ量はデフォルトサイズで指定したサイズにまで増加しますが、デフォルトサイズを上回ることはありません。デフォルトサイズ: 新たに作成された VHD(X)のサイズを MB 単位で指定します。
オフィスコンテナーを使用したい場合は、[オフィスコンテナーを使用する] オプションを選択します。[構成] ボタンをクリックして、設定を構成します。
ユーザーとグループタブ: 上と同様です。
ディスクタブ: 上と同様です。
詳細タブ: 上と同様です。
[一般設定を構成する] ボタンをクリックして、すべてのタイプのコンテナーに対して FSLogix の設定を構成できます。
ホストの再起動
ウィザードの実行中に新しいホストの FSLogix を有効にする場合、追加で行う手順はありません。ウィザードが完了したら、ホストが再起動され、アクティブなロードバランスに追加されます。既存のホストは、[タスク] > [ツール] > [再起動] メニューオプションを使用して手動で再起動する必要があります。
詳細タブ: このタブでは、FSLogix の詳細なレジストリ設定を変更できます。設定を変更するには、設定を選択して [タスク] > [編集] をクリックします。デフォルトでは、設定は無効になっています。設定を有効にするには、設定名の前にあるチェックボックスをオンにします。各設定の説明は RAS Console に表示されます。FSLogix プロファイルコンテナーの構成について詳しくは、 を参照してください。
アプリサービスタブ: このタブでは、FSLogix の詳細なレジストリ設定を変更できます。これらの設定の詳細については、 を参照してください。
クラウドキャッシュタブ: このタブでは、クラウドキャッシュの設定を変更できます。これらの設定の詳細については、 を参照してください。
ログタブ: このタブでは、プロファイルコンテナーのログ設定を変更できます。これらの設定の詳細については、 を参照してください。
FSLogix プロファイルコンテナーの仮想ハードドライブに対し、以下のウイルス対策の除外項目を必ず設定してください。以下の情報は、必ずセキュリティチームに確認してください。
除外対象のファイル:
%Programfiles%\FSLogix\Apps\frxdrv.sys
%Programfiles%\FSLogix\Apps\frxdrvvt.sys
%Programfiles%\FSLogix\Apps\frxccd.sys
%TEMP%*.VHD
%TEMP%*.VHDX
%Windir%\TEMP*.VHD
%Windir%\TEMP*.VHDX
\\storageaccount.file.core.windows.net\share**.VHD
\\storageaccount.file.core.windows.net\share**.VHDX
除外対象のプロセス:
%Programfiles%\FSLogix\Apps\frxccd.exe
%Programfiles%\FSLogix\Apps\frxccds.exe
%Programfiles%\FSLogix\Apps\frxsvc.exe
最適化を構成する際に、Windows Defender ATP カテゴリーで除外するファイルやプロセスを指定できます。詳細については、「最適化」を参照してください。