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この章では、Parallels RAS をインストールし、アクティベートする方法について説明します。
RAS Connection Broker および RAS Secure Gateway(64 ビット版のみ)
RASConnection Broker および RASSecure Gateway は、次のオペレーティングシステムでサポートされています。
Windows Server 2012 R2 から Windows Server 2022 まで
Windows Server 2016、2019 および 2022(Server Core とデスクトップエクスペリエンスインストールの両方がサポート対象)
注: DHCP サーバーを実行しているドメインコントローラーやその他のマシンに RAS Connection Broker や RAS Secure Gateway をインストールしないでください。一般的に、これはどの RAS コンポーネントにも当てはまります。
RAS ウェブ管理サービス
RAS Connection Broker と同じ OS が必要です(上記参照)。なお、大規模環境(同時接続数が 2000 以上)では、専用のサーバーにインストールすることをお勧めします。詳細については、https://kb.parallels.com/en/124988 を参照してください。
また、Windows Server 2012 R2 では、以下のアップデートをインストールする必要があります。ご注意ください。
Windows Server 2012 R2 - KB2999226
新しいバージョンの Windows Server では特定のアップデートは必要ありません。
RAS RD セッションホスト Agent
RAS RD セッションホスト Agent は、次のオペレーティングシステムでサポートされています。
Windows Server 2008 R2 から Windows Server 2022 まで
“デスクトップエクスペリエンス”インストールオプションを使用して Windows Server 2016 以降をインストールする必要があります。
Windows Server 2012 R2(Server Core のインストールオプションはサポートされていません)。
RAS Provider Agent
Windows Server 2012 R2 から Windows Server 2022 まで
サポートされるプロバイダーのリストについては、「RAS Provider Agent のインストールオプション」を参照してください。
RAS Guest Agent
Windows Server 2008 R2 から Windows Server 2022 まで
Windows 7 から Windows 11 まで
Remote PC Agent
Windows Server 2008 R2 から Windows Server 2022 まで
Windows 7 から Windows 11 まで
Parallels RAS PowerShell
Windows Server 2012 R2 から Windows Server 2022 まで
Windows 7 から Windows 11 まで
Windows Management Framework 3.0 および .NET Framework 4.5.2 をインストールする必要があります
Parallels RAS Console
Windows Server 2012 R2 から Windows Server 2022 まで
Windows 7 から Windows 11 まで
RAS 登録サーバー
Windows Server 2012 R2 から Windows Server 2022 まで
Parallels Client
Parallels Client は、次のオペレーティングシステムで認定されています(32 ビット版と 64 ビット版がある場合はその両方に対応)。
Windows 7、8.x、10、11
Windows Server 2008 R2 から Windows Server 2022 まで
macOS 12 Monterey から macOS 14 Sonoma まで。Parallels Client は、Intel または Apple M1、いずれのチップを搭載する Mac コンピューター上でもネイティブに動作します。
iOS および iPadOS 15 以降
Android 7 以降
Chrome OS
注: Parallels Client for Chrome は廃止予定です。代わりに Parallels Web Client を使用することをお勧めします。
Parallels Client for Linux は、次の Linux ディストリビューション(x64 版のみ)をサポートしています。
Ubuntu 18.04 LTS、20.04 LTS、22.04 LTS
Debian 11(Bullseye)、Debian 12(Bookworm)
Fedora 37、38
Linux Mint 20、21
IGEL 11、 12
ThinOS/ Dell Wyse Thin Clients 2303
Igel、HP、10Zig などのテクノロジーパートナーがサポートするシンクライアントとサポートされるハードウェアのリストについては、次のナレッジベースの記事を参照してください: https://kb.parallels.com/124606。
リモートデスクトップサービスクライアントアクセスライセンス(RDS CAL)や仮想デスクトップアクセス(VDA)ライセンスなど、Microsoft のライセンス要件については、付録: Parallels RAS の Microsoft ライセンスの要件
Parallels RAS をインストールする前に、ハードウェアとソフトウェアが、以下のハードウェアおよびソフトウェア要件以上であることを確認してください。Parallels RAS は、ワークグループ環境でも使用できますが、Parallels では Active Directory を使用し、グループポリシーを介して、ユーザー、グループ、マシンアカウントを管理することをお勧めしています。
Parallels RAS をインストールした後、RAS Console を実行し、新しい Parallels RAS ファームをアクティベートします。
Parallels RAS Console の起動
デフォルトでは、インストールウィザードの最後のページで [完了] をクリックした後、Parallels RAS Console が自動的に起動します。コンソールを手動で起動するには、[スタート] > [アプリ] > [Parallels] に移動して、[Parallels Remote Application Server Console] をクリックします。
Parallels RAS Console の初回起動時に、ログインダイアログが表示されます。ダイアログで、以下の情報を指定します。
ファーム: 接続先の Parallels RAS ファーム。RAS Connection Broker がインストールされているサーバーの FQDN または IP アドレスを入力します。
RAS Console をインストールするときに Parallels Single Sign-On コンポーネントをインストールしている場合、[認証タイプ] フィールドが表示され、そこから資格情報を使用してログオンするか、 SSO を使用してログオンするかを選択できます。インストール後に再起動し、SSO を選択する場合は、[Single Sign-On] を選択し、[接続] をクリックします。RAS ファームへのログインには、Windows 資格情報が使用されます。[資格情報] を選択する場合は、下記のように資格情報を入力します。
ユーザー名: Parallels RAS がインストールされているサーバーでの管理権限があるユーザーアカウント(通常はドメインまたはローカル管理者)。アカウント名は UPN 形式(例: administrator@domain.local
)で指定する必要があります。指定したユーザーは自動的に完全なアクセス権がある Parallels RAS 管理者として構成されます。
パスワード: 指定したユーザーアカウントのパスワードです。
[認証情報を記憶する] オプションを選択した場合、次に Parallels RAS Console を起動したときにはこのダイアログは表示されません。
[接続を編集する] ボタンをクリックすると、ダイアログが開き、RAS 接続を管理できます。このダイアログは、1 つまたは複数の RAS ファームに接続するのが初めてではない場合に有用です。ダイアログの左ペインには、以前に接続した RAS ファームが表示されます(ファームが不要になった場合、[-] アイコンをクリックしてリストから削除できます)。右ペインには、少なくとも選択したファームのプライマリ Connection Broker が表示されます。ファームにセカンダリ Connection Broker を追加している場合、[+] アイコンをクリックし、そのホスト名または IP アドレスを入力して、このリストに追加できます(エージェントのステータスを確認するには、[リサイクル] アイコンをクリックします)。この方法で、RAS Console はプライマリ Connection Broker に最初に接続を試み、失敗した場合(例: エージェントがオフラインになっている、またはアクセスできない)、セカンダリ Connection Broker への接続を試みます。セカンダリ Connection Broker の詳細については、**「Parallels RAS Connection Broker」**の章を参照してください。
接続情報の入力が完了したら、[接続] ボタンをクリックして、Parallels RAS ファームに接続します。
Parallels My Account へのサインイン
Parallels RAS をアクティベートするには、Parallels ビジネスアカウントに登録する必要があります。Parallels RAS にログインした後、[Parallels My Account へのサインイン] ダイアログが表示されます。すでにアカウントをお持ちの場合は、アカウントの登録時に使用したメールアドレスとパスワードを入力して、[サインイン] をクリックします。
注: ネットワークで HTTP プロキシサーバーを使用している場合、プロキシサーバーの接続設定を構成するように求めるダイアログが表示されます。[プロキシを設定] ボタンをクリックします。ダイアログが開いたら、次のいずれかを選択します。[システムのプロキシ設定を使用](Internet Explorer のデフォルトのプロキシ設定が使用されます)または [手動での HTTP プロキシ構成](設定を手動で指定します)。プロキシ構成が変更された場合、[管理] > [設定] に移動し、[プロキシを設定] ボタンをクリックして、後から再構成できます。
Parallels ビジネスアカウントをお持ちでない場合は、次のように登録できます。
[Parallels My Account へのサインイン] ダイアログで、[登録] をクリックします。[Parallels My Account を登録] ダイアログが開きます。
名前とメールアドレスを入力し、パスワードを選択して入力し、会社情報を入力します(すべて必須フィールドです)。
Parallels のプライバシーポリシーとご利用条件へのリンクをご確認ください。それらを読んだ後(そして同意する場合)、[私は Parallels の「個人情報の取り扱いについて」と「ご利用条件」を読み、その内容に同意します] チェックボックスを選択してください。
[登録] をクリックして、アカウントを登録します。これで、自分用の個人アカウントと、管理者として割り当てられる組織用のビジネスアカウントが作成されます。
Parallels RAS をアクティベートする
Parallels My Account にサインインした後、[製品をアクティベート] ダイアログが開き、Parallels RAS ファームをアクティベートするように求められます。
Parallels RAS のライセンスキーをすでにお持ちの場合は、[ライセンスキーを使用してアクティベートする] オプションを選択して、表示されているフィールドにキーを入力します。フィールドの横にあるボタンをクリックすると、Parallels My Account に登録されているサブスクリプションと永久ライセンスキーのリストを表示することができます。リストが空の場合は、サブスクリプションまたはライセンスキーがなく、まず初めに購入する必要があります。
注: Parallels RAS Console の [ライセンス] カテゴリーを使用して Parallels RAS ライセンスを管理できます。管理タスクには、ライセンス情報の表示、別の Parallels My Account への切り替え、および別のライセンスキーを使用する Parallels RAS ファームのアクティベートなどがあります。詳細については、「ライセンス」セクションを参照してください。
Parallels RAS ライセンスキーをお持ちでない場合は、以下のオプションが利用できます。
[ライセンスを購入する] リンクをクリックして、サブスクリプションをオンラインで購入します。
[トライアルバージョンをアクティベートする] オプションを選択して、Parallels RAS をトライアル版としてアクティベートします。
ライセンスキーを入力した後(またはトライアル版のアクティベートを選択した後)、[アクティベート] をクリックします。Parallels RAS ファームが正常にアクティベートされたことを示すメッセージが表示されます。[OK] をクリックして、メッセージボックスを閉じます。
最初に表示されるダイアログには、公開済みのリソースをホストするために使用できる構成されたサーバーがないことが表示されます。これは、Parallels RAS の使用を開始するには、少なくとも 1 つの RD セッションホスト、プロバイダー、またはリモート PC を構成する必要があるということです。次の章で Parallels RAS ファームの構成について説明します。今のところは、[OK] をクリックして、メッセージボックスを閉じます。その後で [設定を適応する] ダイアログが表示されます。Parallels RAS の初期構成が完了するのを待ち、[OK] をクリックします。Parallels RAS Console のメインウィンドウが表示されます。Parallels RAS ファームの構成を開始できます。
次に、すばやく RD セッションホストを追加する方法、リソースを公開する方法、ユーザーを Parallels RAS に招待する方法について説明します。
Parallels RAS をインストールするには、以下の操作を実行します。
Parallels RAS をインストールしているコンピューターに管理者権限があることを確認します。
「RASInstaller.msi」ファイルをダブルクリックし、Parallels RAS のインストールウィザードを起動します。”Parallels RAS のこのバージョンはテスト目的でのみご使用いただけます”で開始されるメッセージが表示された場合、ご利用のバージョンが公式のビルドではなく、本番環境での使用が禁止されていることを意味します。
画面上の指示に従います。
注: インストールやアップグレードを行う際には、ライセンス契約に記載されている内容を確認し、同意した上で行ってください。プログラムによる展開の場合は、ライセンス契約の条項をお読みの上同意したものとみなされます。
注: メジャーバージョンからアップグレードする場合(たとえば、Parallels RAS 18 から Parallels RAS 19)、新バージョンの各コンポーネントのシステム要件が記載されたメッセージが表示されます。現在の環境ですべてのコンポーネントがアップグレード可能であることを確認するために、これらを注意深くお読みください。システム要件を満たさないシステムにコンポーネントをインストールした場合、そのコンポーネントは動作しないことに注意してください。
製品の向上にご協力ください。
Parallels RAS をインストールする際、[Parallels カスタマーエクスペリエンスプログラムに参加する] を選択することができます。Parallels カスタマーエクスペリエンスプログラムの詳細については、https://www.parallels.com/about/legal/pcep/を参照してください。
**「インストールタイプの選択」**ページに進み、以下の中から選択します。
Parallels Remote Application Server を指定します。RAS Console、RAS 管理ポータル、RAS Connection Broker、RAS Secure Gateway、RAS RD セッションホストエージェント、RAS PowerShell、および RAS ウェブ管理サービスを同じマシンにインストールするデフォルトのインストール方法です。この方法は、テストや小規模な本番環境に最適です。
Parallels RAS テナントブローカー: このオプションはテナントブローカーをインストールします。なお、テナントブローカーは、既存の RAS ファームとは別のサーバーにインストールする必要があります。テナントブローカーの詳細については、「RAS マルチテナントアーキテクチャ」の章を参照してください。
カスタム: 必要なコンポーネントのみを選択してインストールします。[次へ] をクリックした後、個々のコンポーネントを選択できます。現在のサーバーにコンポーネントをインストールできない場合、インストールに利用できないことに注意してください。**「ソフトウェア要件」**を参照してください。
[次へ] をクリックします。
[重要なお知らせ] ウィザードページのお知らせを確認します。コンピューターでポートの競合がある場合、情報がここに表示されます。競合は後で解決できます。
[次へ] をクリックします。
[ファイアウォールの設定] ページで [ファイアウォールルールを自動的に追加] を選択します。これにより、Parallels RAS が適切に動作するようにこのコンピューターでファイアウォールが構成されます。詳細については、**「ポート参照」**を参照してください。
[次へ] をクリックし、[インストール] をクリックします。インストールが終了するまで待って、[完了] をクリックします。
RAS のバージョンをアップグレードする場合、コンポーネントをアップグレードするすべてのサーバーの再起動をお勧めします。
別のサーバーに特定の Parallels RAS コンポーネントをインストールする必要がある場合は、もう一度インストールウィザードを実行し、[カスタム] を選択し、インストールするコンポーネントを選択します。
Parallels RAS は、物理プラットフォームおよび仮想プラットフォーム上で広範囲にわたってテストされています。Parallels RAS を実行するうえで認定されたハードウェアの最低要件を以下に示します。
物理マシン - デュアルコアプロセッサ、最小 4GB の RAM。
仮想マシン - 2 基の仮想プロセッサ、最小 4GB の RAM。
Parallels RAS をインストールおよび構成するためのサーバーハードウェア要件は、エンドユーザーの要件によって異なる可能性があります。
通常、30 ユーザー以下のインストールの場合、1 つの高性能サーバーに Parallels RAS をインストールし、そのサーバーからリソースを直接公開することができます。30 ユーザー以上の場合、複数のサーバーが必要になる可能性があります。
Parallels RAS の展開を計画する段階で、以下の点を考慮する必要があります。
複数の CPU コア、高性能のディスク転送速度、および十分な RAM で構成される高性能サーバーを使用する必要があります。
エンドユーザーに提供するために必要なリソースが適切に用意されている場合は、ハイパーバイザーベースの仮想マシンを使用できます。
Gateway SSL モードを使用する受信接続では、RAS Secure Gateway が 1 台のサーバーにつき 1200 ユーザーを超えないようにすることをお勧めします。
HALB の使用量は、HALB アプライアンスごとに 2000 ユーザーセッションを超えてはなりません。https://kb.parallels.com/125229 を参照してください。
VDI ハイパーバイザーリソースの要件を計画する場合、仮想マシンごとの RAM 使用量、ディスク容量など、追加の要件を考慮する必要があります。
RD セッションホスト、VDI、または Azure Virtual Desktop を構成する場合、ワークロードの種類に応じて、セッションホストを構成する必要があることに注意してください。可能な限り最高のエクスペリエンスを得るには、ユーザーのニーズに応じて展開を拡張する必要があります。次の表は、さまざまなワークロードの種類がセッションホストの構成にどのように影響するかを示しています。
注: サイズについてのガイドラインは、RDS または Azure Virtual Desktop マルチセッションホストに関する Microsoft の推奨事項に基づいています。
ポートの要件については、**「ポート参照」**セクションを参照してください。
ワークロード
ユーザーの例
アプリの例
vCPU あたりの最大ユーザー数
最小要件
ライトユーザー
基本的なデータエントリータスク
データベースエントリーアプリケーション、コマンドラインインターフェイス
6
2 vCPU
8 GB RAM
16 GB ストレージ
普通
コンサルタントおよびマーケット リサーチ
データベースエントリーアプリケーション、コマンドラインインターフェイス、Microsoft Word、静的ウェブページ
4
4 vCPU
16 GB RAM
32 GB ストレージ
ヘビーユーザー
ソフトウェアエンジニア、コンテンツ作成者
データベースエントリーアプリケーション、コマンドラインインターフェイス、Microsoft Word、静的ウェブページ、Microsoft Outlook、Microsoft PowerPoint、動的ウェブページ
2
4 vCPU
16 GB RAM
32 GB ストレージ
パワーユーザー
グラフィックデザイナー、3D モデルメーカー、機械学習の研究
データベースエントリーアプリケーション、コマンドラインインターフェイス、Microsoft Word、静的ウェブページ、Microsoft Outlook、Microsoft PowerPoint、動的ウェブページ、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、CAD、CAM
1
6 vCPU
56 GB RAM
340 GB ストレージ