サイトのデフォルト値はサイトレベルで定義される設定で、テンプレートとゲスト VM(テンプレートベースのものとテンプレートベースでないものの両方)により使用されます。デフォルトでテンプレート(本章の後半で説明します)にこれらの設定が継承されますが、必要な場合はテンプレートの構成時に上書きできます。デフォルトでは、テンプレートベースでないホストもサイトのデフォルト値の設定を使用します。また、必要に応じてこれらの VM の構成時に上書きすることもできます。
サイトのデフォルト値を表示し、変更するには、次の操作を実行します。
[ファーム] > <サイト> > [VDI] に移動します。
右側のペインで [パーシスタントゲストVM] タブを選択します。
[タスク] > [サイトのデフォルト値] をクリックします。これにより、後述する [サイトのデフォルトプロパティ] ダイアログが開かれます。
サイトのデフォルト値に加えた変更はすべて、その設定を使用している現在のサイトの全ホストに即座に適用されます。
概要
[一般] タブには次のプロパティが含まれています。
**セッション準備状態のタイムアウト:**セッションを確立するのに必要な最大時間を指定します。指定したタイムアウト時間内にセッションの準備ができない場合、ユーザーにはエラーメッセージが表示され、再度ログインを試みる必要があります。
**プロトコル:**ホストとの通信に Parallels RAS で使用するプロトコルを指定します。
準備に失敗したホストを自動削除するまでの時間: 準備段階でホストに(何らかの理由で)問題が発生した場合、その VM はサーバーに残りますが、使用することはできません。[ステータス] 列([ファーム] > <サイト> > [VDI] > [デスクトップ])の「作成に失敗」という値により、このような VM を特定できます。このような VM は、修復されない限り、このフィールドに指定されている時間が経過すると自動的に削除されます。有効な期間は、ドロップダウンリストから選択するか、”8 日間”や”12 時間”などの値を入力することで設定できます。
デスクトップの割り当てタイプ: パーシスタントなホストを UPN(ユーザーオプション)またはデバイスホスト名(デバイスオプション)のどちらで割り当てるかを指定します。各ホストは、パーシスタントな割り当てが有効な状態で、そこから公開されたリソースを使用する最初のユーザーまたはデバイスに自動的に割り当てられます。また、ホストを手動で割り当てることもできます。詳細については、[パーシスタントゲスト VM] を参照してください。
ゲストが次の時間使われない場合にパーシスタンスを自動的に削除: パーシスタンスの自動削除を実行するまでの経過時間。希望の期間を指定することもできます(例: ”1 週間と 3 日間“)。
注: RAS 17 以降、このオプションのデフォルト設定は、[削除しない] です。この点に注意してください。
ユーザープロファイル
「ユーザープロファイル」の説明に従って、このタブを構成します。
アプリケーションパッケージ
「MSIX アプリケーションパッケージの使用」の説明に従って、このタブを構成します。
最適化
「最適化」の説明に従って、このタブを構成します。
処理
アクション: ここにある 2 つのドロップダウンリストにより、セッションの切断またはログオフを実行するためのアクションを指定します。
Nutanix AHV(AOS)についての注意: AHV(AOS)は、VM に対するサスペンド操作をサポートしていません。[アクションを実行] フィールドで [サスペンド] を選択すると、セッションの切断が発生したときに AHV(AOS)VM にはアクションが適用されません(対応するエラーが Provider Agent ログに記録されます)。
セキュリティ
[セキュリティ] タブで、ユーザーにホストでリモートデスクトップに接続する権限を自動的に付与するかどうかを指定できます。次にその仕組みを説明します。リモートデスクトップユーザー(または管理者)グループに各ユーザーを手動で追加する代わりに、このオプションを有効にして、それを自動的に行うことができます。ユーザーがログオンすると、ユーザーは自動的に指定のグループに追加され、これに伴いサーバーでのリモートデスクトップ接続の権限(または管理者のフル権限)が付与されます。ユーザーがログオフすると、ユーザーはグループから削除されます(つまり、グループメンバーシップはセッションの時間中に限り確保されます)。
この機能のさらに重要なメリットを以下に説明します。
今後、リモートデスクトップユーザーグループにユーザーを追加する必要はなくなります。これによりユーザーは、Parallels Client の外部のサーバーとリモートデスクトップセッションを確立することができなくなります。
管理者グループにユーザーを自動的に追加することにより、ユーザーにアプリケーションをインストールし、他の管理タスクを実行する権限を付与できます。繰り返しになりますが、ユーザーは Parallels Client からはこれを実行することが可能ですが、標準的なリモートデスクトップツールを使用してサーバーに接続してこれを行うことはできません。
設定
[設定] タブには次のプロパティが含まれています。
アクティブなセッションを中断するまでの時間: ユーザーが公開済みアプリケーションを閉じた後、セッションがログイン状態を保持する時間。デフォルトのタイムアウトは 25 秒です。これは、アプリケーションでのみ機能し、公開済みのデスクトップでは機能しません(ユーザーがデスクトップを閉じるときに、セッションはログオフされます)。このタイムアウトは、ユーザーがあるアプリケーションを閉じてから別のアプリケーションを開く場合に、不要なログインを回避するために使用されます。
任意の Connection Broker: このプロバイダーを割り当てる必要のある推奨 Connection Broker を選択します。WAN 経由で通信している複数の物理的な場所にサイトコンポーネントをインストールしている場合、この設定が役立ちます。より適切な Connection Broker を指定することによりネットワークトラフィックを減らすことができます。
URL/メールのリダイレクトを許可: ユーザーがリモートアプリケーションで URL または HTML Mailto リンクを開くと、リンクはクライアントコンピューターにリダイレクトされ、リモートホストのアプリケーションではなく、ローカルのデフォルトアプリケーション(ウェブブラウザーまたはメールクライアント)で開かれます。このオプションではリダイレクトを有効化または無効化できます。[構成] ボタンをクリックして、以下のオプションから選択します。
有効化(登録済みアプリケーションを置換) - このオプションでは、リンクのリダイレクトの代替メソッドを使用します。これにより、リモートサーバー側でデフォルトの Web ブラウザーとメールクライアントを”ダミー”アプリと置換します。これを行うことで、リンクを開く操作を中断し、クライアントコンピューターにリダイレクトできます。
Windows シェル URL 名前空間オブジェクトのサポート - シェル URL 名前空間オブジェクトをサポートするということは、Parallels RAS がシェル名前空間 API を使用する公開済みアプリケーションでの操作を中断して、リンクを開くことができるということを意味します。これは多くのアプリケーションでの標準的な動作です。シェル URL 名前領域オブジェクトのサポートを無効する機能は、Parallels RAS の旧バージョンとの互換性のために備えられています。
ドラッグ & ドロップを有効化: ドラッグ & ドロップ機能が Parallels Client 内でどのように機能するかを設定できます。[構成] をクリックして、[無効](ドラッグ & ドロップ機能なし)、[サーバーからクライアントのみ](ローカルアプリケーションへのドラッグ & ドロップのみ)、[クライアントからサーバーのみ](リモートアプリケーションへのドラッグ & ドロップのみ)、[双方向](双方向のドラッグ & ドロップ)から選択できます。
注: この文書の作成時点では、ドラッグ・ドロップ機能が利用できるのは Parallels Client for Windows および Parallels Client for Mac のみです。
RDP 転送プロトコルの管理: Parallels Client とサーバー間の接続に使用されるトランスポートプロトコルを選択します。これを実行するには、このオプションを選択し、[構成] ボタンをクリックします。
ファイル転送コマンドを許可(Web および Chrome クライアント): リモートセッションでのファイル転送を有効化します。ファイル転送を有効にするには、このオプションを選択し、[構成] ボタンをクリックします。詳細については、「リモートファイル転送を構成する」を参照してください。
ドライブリダイレクトのキャッシュを有効化: リダイレクトされたドライブ上でのファイルの参照とナビゲーションをより高速にすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。詳細については、「ドライブリダイレクトのキャッシュ」を参照してください。
RDP プリンター
[RDP プリンター] タブでは、リダイレクトされたプリンターの名前変更フォーマットを構成できます。フォーマットは、サーバーのどのバージョンと言語を使用しているかによって異なる場合があります。構成したサーバーに固有の [RDP プリンター名のフォーマット] オプションを選択します。
プリンター名(コンピューター名から)内のセッション番号
セッション番号(コンピューター名から)プリンター名
プリント名(リダイレクトセッション番号)
利用できる別の RDP 印刷オプションは [プリンター名にセッション数を入れない] です。