注: 既存の FSLogix プロファイルコンテナー構成があり、その構成を Parallels RAS で管理したい場合は、「Parallels RAS で既存プロファイルの管理を構成する」の追加説明を参照してください。
Microsoft FSLogix プロファイルコンテナーは、ローミングプロファイルおよびユーザープロファイルディスク(UPD)の後継技術として利用されることの多いプロファイル管理ソリューションです。これは、パーシスタントでない環境でユーザーコンテキストを維持し、サインイン時間を最小限に抑え、互換性の問題を排除するネイティブプロファイルのユーザーエクスペリエンスを提供できるように構成されています。
Parallels はバージョン 18 以降、FSLogix プロファイルコンテナーを統合、構成、メンテナンス、およびサポートする機能を提供し、Storage Spaces Direct、Azure Files、Azure NetApp ファイル、SMB および Cloud Cache などでサポートされるプロトコルに基づいて、耐障害性と可用性をサポートします。
サポートされる FSLogix プロファイルコンテナーのリリース
Parallels RAS は、リリース 2105 までの FSLogix プロファイルコンテナーリリースでテストされています。
前提条件
FSLogix プロファイルコンテナーのライセンス資格は、以下のライセンスのいずれかを取得している場合に利用できます。
Microsoft 365 E3、E5
Microsoft 365 A3、A5、学生使用特典
Microsoft 365 F1、F3
Microsoft 365 Business
Windows 10 Enterprise E3、E5
Windows 10 Education A3、A5
Windows 10 VDA(ユーザー単位)
リモートデスクトップサービス(RDS)クライアントアクセスライセンス(CAL)
リモートデスクトップサービス(RDS)サブスクライバーアクセスライセンス(SAL)
その他の前提条件は以下の通りです。
FSLogix の推奨項目に応じて構成されたプロファイルコンテナーストレージ。
Parallels RAS が FSLogix 設定を管理するホストでは、FSLogix に関連する GPO ポリシーを無効にしておく必要があります。
Parallels RAS に FSLogix プロファイルコンテナーアプリケーションをインストールする
Parallels RAS 管理ポータルに FSLogix プロファイルコンテナーアプリケーションをインストールするには、次の操作を実行します。
[サイト設定] > [FSLogix] に移動します。
右ペインで [編集] をクリックし、以下のインストール方法を選択します。
手動でインストールする: ホストにインストールされた FSLogix プロファイルコンテナーアプリケーションを手動で使用します(Parallels RAS では FSLogix エージェントはインストールされません)。
オンラインでインストールする: Microsoft のウェブサイトから FSLogix プロファイルコンテナーをインストールします。ドロップダウンリストで、サポートされている任意のバージョンを選択します。カスタムの URL を指定するには、[カスタム URL] を選択して、所定のフィールドで URL を指定します。最新のサポート対象バージョンを自動的に検出する場合は、[最新情報を検出] をクリックします。最新バージョンが識別され、 [オンラインでインストールする] ドロップダウンリストに追加されます。
ネットワーク共有からインストールする: ローカルで利用可能な FSLogix エージェントをインストールします(Parallels RAS には Microsoft から提供される公式 ZIP アーカイブが必要です)。
RAS Connection Broker からプッシュする: 最新バージョンの FSLogix エージェントがダウンロードされ、RAS Connection Broker 側に保存されて、ターゲットセッションホストにプッシュされます。
FSLogix プロファイルコンテナーを使用するためのセッションホストの構成
なお、本ガイドの執筆時点で RAS 管理ポータルは、FSLogix プロファイルコンテナーの使用に供する RD セッションホストの構成目的でのみ利用できます。その他のホストタイプの場合は、デスクトップベースの RAS Console をご利用ください。
セッションホストを構成するには、次の操作を実行します。
[インフラストラクチャ] > [RD セッションホスト] に移動します。
リストからホストをクリックして、[プロパティ] をクリックします。
中央のペインで [ユーザープロファイル] をクリックします。
[編集] をクリックして、編集を有効にします。サイトまたはホストプールのデフォルト値を上書きするには、[デフォルトを継承] を解除して、独自の設定を指定します。サイトまたはホストプールのデフォルトを変更するには、対応するリンクをクリックし、それぞれのビューで編集を行います。
ニーズに合わせて設定を指定します。
このトピックでは、Parallels RAS で既存の FSLogix プロファイルコンテナーの管理を構成する方法について説明します。FSLogix プロファイルコンテナーの構成により、プロファイルをリダイレクトされる場所と方法を定義できます。通常、プロファイルの設定はレジストリ設定や GPO で行います。Parallels RAS では、外部ツールを使用せずに、Parallels RAS Console または RAS 管理ポータルからプロファイルを構成することができます。
ご利用いただく前に
Parallels RAS で FSLogix プロファイルコンテナーを構成する前に、以下の点に注意してください。
プロファイル自体を変更する必要はなく、既存のプロファイルをそのまま使用できます。
FSLogix プロファイルコンテナーのロケーションとして、SMB ネットワーク共有やクラウドキャッシュなど、既存のロケーションを引き続き使用できます。
準備
準備として以下の手順を実行します。
既存のプロファイルをバックアップします。プロファイルデータが喪失または破損することはほとんどありませんが、プロファイル構成を変更する前に有効なバックアップを取得しておくことをお勧めします。
FSLogix プロファイルコンテナーの GPO 構成をオフにします。GPO からの FSLogix プロファイル管理と Parallels RAS からの管理を同時に有効にすることはできません。それで、この手順が重要になります。
RAS ファーム内のサーバーで FSLogix プロファイルを設定する前に、サーバーでユーザーセッションが実行されていないことを確認してください。業務時間外のメンテナンス期間に移行作業を行うことも考慮できるでしょう。
GPO と FSLogix の構成を複製する
Parallels RAS で既存の FSLogix プロファイルコンテナーを構成するには、既存の GPO を Parallels RAS の FSLogix 構成に複製する必要があります。これは、Parallels RAS Console または Parallels 管理ポータルで実行できます。
RAS 管理ポータルでプロファイルを構成するには:
[インフラストラクチャ] > [RD セッションホスト] に移動します。
リストからホストをクリックして、[プロパティ] をクリックします。
中央のペインで [ユーザープロファイル] をクリックします。
[プロファイルディスクの場所] リストボックスで、FSLogix プロファイルを保存する既存の SMB またはクラウドキャッシュの場所を指定します。さらに、プロファイルディスクのフォーマット、割り当てタイプ、既定サイズを指定します。
中央のペインで、[ユーザーとグループ]、[フォルダー]、[詳細設定] 項目をクリックして、ユーザーの除外やフォルダーの除外など、サーバー上にある FSLogix の他の設定を行います。
なお、本ガイドの執筆時点で RAS 管理ポータルは、FSLogix プロファイルコンテナーの使用に供する RD セッションホストの構成目的でのみ利用できます。その他のホストタイプの場合は、デスクトップベースの RAS Console をご利用ください(以下を参照)。
RAS Console でプロファイルを設定するには:
ホスト、サイトのデフォルト値、またはテンプレートの [プロパティ] ダイアログで、[ユーザープロファイル] タブを開きます。
[プロファイルディスクの場所] リストボックスで、FSLogix プロファイルを保存する既存の SMB またはクラウドキャッシュの場所を指定します。さらに、プロファイルディスクのフォーマット、割り当てタイプ、既定サイズを指定します。
[詳細設定] ボタンをクリックして、ユーザーの除外やフォルダーの除外など、サーバー上にある FSLogix の他の設定を行います。
推奨事項とテスト
前のセクションの手順を実行する場合、RAS ファームに存在する複数の(またはすべての)サーバーをまとめて構成することは避けてください。1 台のサーバー(例: RD セッションホスト)から着手し、1 人のユーザーを接続した上でテストを行ってください。その後、他のサーバーを設定し、同一ユーザーが複数のサーバーに連続してログインするテストを行います。このテストで、いずれのセッションホストでもプロファイルが読み込まれ、カスタマイズされた機能が利用できることを確認します。特に問題がなければ、他のホスト、ホストプール、またはサイトのデフォルトを構成します。
RAS ユーザーは、Parallels RAS によって集中管理される、既存の FSLogix プロファイルコンテナーを使用して Parallels RAS に接続することが可能です。
FSLogix を設定するには、
次のいずれかを実行します。
サイトのデフォルトを設定するには、[インフラストラクチャ] > [ホストプール] > [RD セッションホスト] > [プロパティ] > [サイトのデフォルト値] > [ユーザープロファイル] に移動します。
ホストプールを構成するには、[インフラストラクチャ] > [ホストプール] > <ホストプール名> > [プロパティ] > [サイトのデフォルト値] > [ユーザープロファイル] に移動します。
個別のホストを構成するには、[インフラストラクチャ] > [RD セッションホスト] > <ホスト名> > [プロパティ] > [ユーザープロファイル] に移動します。
プロファイルコンテナーを使用するには、[ユーザープロファイル] > [FSLogix プロファイルコンテナー] に移動します。
ユーザーとグループ: ユーザーとグループの包含リストと除外リストを指定します。デフォルトでは、すべてのユーザーが FSLogix プロファイルの包含リストに追加されます。一部のユーザープロファイルをローカルのままにする場合は、該当のユーザーを除外リストに追加できます。ユーザーとグループは両方のリストに追加できますが、除外リストが優先されます。
フォルダー: フォルダーの包含リストと除外リストを指定します。共通フォルダーから選択することも、手動でフォルダーを指定することもできます。フォルダーはユーザープロファイルのパスに配置する必要があります。ご注意ください。
ディスク: プロファイルディスクの設定を指定します。場所の種類: プロファイルディスクの場所の種類(SMB の場所、またはクラウドキャッシュ)を選択し、1 つまたは複数の場所を指定します。プロファイルディスクの場所: プロファイルディスクの場所(1 つまたは複数)です。これは、VHD(X)ファイルの場所(FSLogix ドキュメントに記載されている、レジストリ内の VHD の場所の設定)です。プロファイルディスクのフォーマット: 要件に応じて、VHD または VHDX を選択します。VHDX はより新しいフォーマットであり、より多くの機能を備えています。割り当てタイプ: [動的] または [フル] を選択します。この設定は、[デフォルトサイズ] の設定(以下を参照)と一緒に使用して、プロファイルのサイズを管理します。[動的] を選択すると、割り当てられたデフォルトサイズにかかわらず、プロファイルコンテナーは最低限のディスク領域を使用します。ユーザープロファイルにより多くのデータが入力されると、ディスクのデータ量はデフォルトサイズで指定したサイズにまで増加しますが、デフォルトサイズを上回ることはありません。デフォルトサイズ: 新たに作成された VHD(X)のサイズを MB 単位で指定します。
アドバンスト: このタブでは、FSLogix の詳細なレジストリ設定を変更できます。デフォルトでは、設定は無効になっています。設定を有効にするには、設定名の前にあるチェックボックスをオンにします。各設定の説明は RAS Console に表示されます。FSLogix プロファイルコンテナーの構成について詳しくは、https://docs.microsoft.com/en-us/fslogix/profile-container-configuration-reference を参照してください。
プロファイルコンテナーを使用するには、[ユーザープロファイル] > [FSLogix - オフィスコンテナー] に移動します。
ユーザーとグループ: 上と同様です。
ディスク: 上と同様です。
アドバンスト: 上と同様です。
クラウドキャッシュを構成するには、[ユーザープロファイル] > [FSLogix - クラウドキャッシュ] に移動します。これらの設定の詳細については、https://learn.microsoft.com/en-us/fslogix/reference-configuration-settings?tabs=ccd#fslogix-settings-profile-odfc-cloud-cache-logging を参照してください。
ログを構成するには、[ユーザープロファイル] > [FSLogix - ログ] に移動します。これらの設定の詳細については、https://learn.microsoft.com/en-us/fslogix/reference-configuration-settings?tabs=ccd#fslogix-settings-profile-odfc-cloud-cache-logging を参照してください。