Agent 設定
ファーム内の各 RD セッションホストには RAS RD セッションホスト Agent がインストールされており、他の Parallels RAS コンポーネントと通信します。エージェントを構成するには、[Agent 設定] カテゴリーを使用します。
デフォルトの設定を使用するには、[デフォルト設定を継承] オプションを選択します。詳細については、「サイトまたはグループのデフォルト値を使用する」を参照してください。特定のホストにカスタム設定を指定する場合は、[デフォルト設定を継承] オプションをオフにして、次の各 Agent プロパティを指定します。
アプリケーションセッションの痕跡
このセクションの設定は、アプリケーションを実行していないセッションにのみ適用されます。
アクティブなセッションを中断するまでの時間: ユーザーがリモートアプリケーションを閉じた後、各セッションがバックグラウンドで接続状態を保持する時間を指定します。このオプションを使用して、ホストへの不必要な再接続を回避します。
切断済みセッションをログオフするまでの時間: この設定では、“切断” とマークされた後、セッションのログオフにかかる時間を管理できます。
他の設定
ポート: ホストでデフォルト以外のポートが構成されている場合、別のリモートデスクトップ接続ポート番号を指定します。
セッション最大数: セッションの最大数を指定します。
Client URL/メールのリダイレクションを許可: ユーザーがリモートアプリケーションで URL または HTML Mailto リンクを開くと、リンクはクライアントコンピューターにリダイレクトされ、リモートホストのアプリケーションではなく、ローカルのデフォルトアプリケーション(ウェブブラウザーまたはメールクライアント)で開かれます。このオプションではリダイレクトを有効化または無効化できます。次のオプションから選択できます。
有効化 - このオプションを選択するとリダイレクトが有効化されます。その後 [Windows シェル URL の名前空間オブジェクトをサポート] オプション(ドロップダウンボックス以下)を選択します。これは、一般的なシナリオで動作するデフォルトのリダイレクト設定です。シェル URL 名前空間オブジェクトをサポートするということは、Parallels RAS がシェル名前空間 API を使用する公開済みアプリケーションでの操作を中断して、リンクを開くことができるということを意味します。これは多くのアプリケーションでの標準的な動作です。シェル URL 名前領域オブジェクトのサポートを無効する機能は、Parallels RAS の旧バージョンとの互換性のために備えられています。Parallels RAS の旧バージョン(RAS バージョン 16.2 以前)で動作させたい場合、このオプションを無効化できます。
有効化(登録済みアプリケーションを置換) - このオプションでは、リンクのリダイレクトの代替メソッドを使用します。これにより、リモートホスト側でデフォルトの Web ブラウザーとメールクライアントを”ダミー”アプリと置換します。これを行うことで、リンクを開く操作を中断し、クライアントコンピューターにリダイレクトできます。公開済みのアプリケーションで上述のデフォルトオプションが動作しない場合、このオプションを試してみることができます。
無効化 - このオプションにより、URL/メールのリダイレクトを無効化します。つまり URL または Mailto リンクは常にリモートホストで開くようになります。
Windows シェル URL の名前空間オブジェクトをサポート:
ドラッグ & ドロップ: ドラッグ & ドロップ機能が Parallels Client 内でどのように機能するかを設定できます。[無効](ドラッグ & ドロップ機能をまったく使用しない)、[サーバーからクライアントのみ](ローカルアプリケーションへのドラッグ & ドロップのみ許可し、逆方向は許可しない)、[クライアントからサーバーのみ](リモートアプリケーションへのドラッグ & ドロップのみ許可)、[双方向](デフォルト)から選択できます。Parallels RAS 17.1 以降ではこのオプションが変更されたことに注意してください。それ以前はドラッグ & ドロップを有効化または無効化するチェックボックスであり、[クライアントからサーバーのみ] モードでのみ動作していました。Parallels RAS の以前のバージョンからアップグレードする際、このチェックボックスがオンになっていれば、デフォルトで [クライアントからサーバーのみ] が選択されます。オフになっていた場合は、[無効] オプションが設定されます。必要に応じて、どの新しいオプションに切り替えることも可能です。
注: この文書の作成時点では、ドラッグ・ドロップ機能が利用できるのは Parallels Client for Windows および Parallels Client for Mac のみです。
任意の Connection Broker: RD セッションホストが接続する Connection Broker を選択します。これは、サイトコンポーネントが、WAN で通信する複数の物理的な場所に設置されているときに役立ちます。より適切な Connection Broker を指定することによりネットワークトラフィックを減らすことができます。
2XRemoteExec がクライアントにコマンドを送信することを許可: ホストで実行されているプロセスにより、クライアント側でのアプリケーションの展開をクライアントに指示することを許可するには、このオプションをオンにします。詳細については、以下の**「RemoteExec の使用」**サブセクションを参照してください。
[RemoteApp を使用](利用できる場合): このオプションを有効にすると、シェル関連の問題でアプリが正しく表示されない場合に、リモートアプリを使用できます。この機能は、Windows 用 Parallels Client でのみサポートされています。
[アプリケーションの監視を有効にする]。ホストでのアプリケーションの監視を有効または無効にします。アプリケーションのモニタリングを無効にすると、RAS Connection Broker に情報を転送しているときに、ホストでの CPU 使用率とネットワークの使用率を減らすための WMI モニタリングが停止します。このオプションが有効な場合、収集された情報が対応する RAS レポートに表示されます。このオプションが無効な場合、このホストからの情報はレポートに記載されません。
RDP 転送プロトコルの管理。Parallels Client とホスト間の接続に使用されるトランスポートプロトコルを選択します。
ファイル転送コマンドを許可(Web および Chrome クライアント): リモートセッションでのファイル転送を有効化します。ドロップダウンリストで必要なオプションを選択します。詳細については、以下の**「リモートファイル転送を構成する」**を参照してください。
ファイル転送のロケーション: デフォルトのアップロード先として使用するフォルダーの UNC パスです。ここで指定されたパスは、ユーザーがリモートホストからファイルをダウンロードしようとしたときの、デフォルトのソースロケーションとしても使用されます。ドロップダウンリストであらかじめ定義されているロケーションから選択するか、独自のロケーションを指定することができます。Windows の標準的な環境変数である、%USERNAME%、%USERDOMAIN%、%USERPROFILE% を使用することができます。アップロードまたはダウンロードの実行中にロケーションが見つからない場合は、標準(デフォルト)のダウンロードロケーションが使用されます。
位置情報の変更を許可しない: [ファイル転送のロケーション] フィールドで指定された UNC パスの変更を禁止します。このオプションを有効にすると、ファイルのアップロードまたはダウンロードを行う際に、ユーザーが別のロケーションを選択できなくなります。このオプションを無効にすると、ユーザーは別のロケーションを指定できるようになります。
ドライブリダイレクトのキャッシュを有効化: リダイレクトされたドライブ上でのファイルの参照とナビゲーションをより高速にすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。
2XRemoteExec の使用
2XRemoteExec は、ホストからクライアントへのコマンドの送信を容易に行えるようにするための機能です。そのために、コマンドラインユーティリティ 2XRemoteExec.exe
を使用します。次のコマンドラインオプションが用意されています。
-s
2XRemoteExec コマンドを”サイレント”モードで実行するのに使用します。このパラメーターを省略すると、コマンドにより、アプリケーションからのポップアップメッセージが表示されます。このパラメーターを指定すると、メッセージは表示されません。
-t
アプリケーションが開始されるまでのタイムアウトを指定するのに使用します。タイムアウトは 5000 ミリ秒〜30000 ミリ秒の値にする必要があります。値の単位は”ミリ秒”である点に注意してください。タイムアウトが発生すると、コマンドはエラーを返します。タイムアウトが発生しても、クライアントでアプリケーションが開始されている場合があります。
-?
2XRemoteExec で使用されるパラメーターのヘルプリストを表示します。
"Path for Remote Application"
ホストからの要求に従ってクライアントで開始されるアプリケーション。
2XRemoteExec の例:
次のコマンドを実行すると、使用できるパラメーターの説明がメッセージボックスに表示されます。
このコマンドを実行すると、クライアントでメモ帳が起動します。
この例のコマンドを実行すると、クライアントのメモ帳で C:\readme.txt
ファイルが開きます。メッセージは表示されず、2XRemoteExec は 6 秒間、またはアプリケーションが起動するまで待機します。
リモートファイル転送を構成する
Parallels RAS を使用して、エンドユーザーはリモートでファイルをリモートホストに転送またはリモートホストから転送することができます。
注: この文書の作成時点では、ファイル転送が利用できるのは、Parallels ユーザーポータルおよび Parallels Client for Chrome のみです。なお双方向のファイル転送は、Parallels ユーザーポータルのみでサポートされています。
リモートファイル転送機能を柔軟に設定できるように、Parallels RAS では以下の 3 つのレベルを設定することができます。
RD セッションホスト、プロバイダー、またはリモート PC
ユーザーポータル
クライアントポリシー
各レベルで設定したファイル転送設定の優先順位は、上述の順序になります。たとえば、ファイル転送をユーザーポータルで有効にし、RD セッションホストで無効にしている場合、所定のユーザーポータルから所定の RD セッションホストに接続するすべてのユーザーについて、ファイル転送が無効になります。また、RD セッションホストでファイル転送を有効にし、特定のクライアントポリシー(またはユーザーポータル)で無効にすることもできます。このように、ファイル転送を利用できるクライアントと利用できないクライアントを制御することが可能になります。
リモートファイル転送を構成するには、次の操作を実行します。
[ファイル転送コマンドを許可] ドロップダウンリストで、次のオプションのいずれかを選択します。
無効: リモートファイル転送は無効です。
Client からサーバー: クライアントからサーバーへのファイル転送のみ。
サーバーから Client: サーバーからクライアントへのファイル転送のみ。
双方向: 双方向のファイルを転送が可能。
[ファイル転送のロケーション] フィールドには、デフォルトのアップロード先として使用するフォルダーの UNC パスを指定します。ここで指定されたパスは、ユーザーがリモートサーバーからファイルをダウンロードしようとしたときの、デフォルトのソースロケーションとしても使用されます。Windows の標準的な環境変数である、%USERNAME%、%USERDOMAIN%、%USERPROFILE% を使用することができます。アップロードまたはダウンロードの実行中にロケーションが見つからない場合は、標準(デフォルト)のダウンロードロケーションが使用されます。
[位置情報の変更を許可しない] オプションにより、[ファイル転送のロケーション] フィールドで指定された UNC パスをユーザーが変更することを禁止します。このオプションを有効にすると、ファイルのアップロードまたはダウンロードを行う際に、ユーザーが別のロケーションを選択できなくなります。このオプションを無効にすると、ユーザーは別のロケーションを指定できるようになります。
重要: なお、[位置情報の変更を許可しない] オプションでは、ユーザーが指定したリモートロケーションへの直接的なアクセスを禁止することはできません。たとえば、ユーザーがファイルをアップロードしようとするときに、デフォルトのロケーションの UNC パス(自分がアクセスできるパス)をメモし、ファイルエクスプローラーで該当のファイルを開き、プロファイルの任意のフォルダーにコピーすることができます。このような操作を防止するために、ここで指定したロケーション以外のロケーションも制御できるようにする追加の方法を導入する必要があります。
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