複数のファームにおけるプロバイダーの使用
このトピックでは、複数の RAS ファームで同じプロバイダーを同時に使用する方法について説明します。問題と解決策をよりよく理解するために、仮に次のような例を考えてみましょう。
2 つの利用可能な仮想マシンを持つハイパーバイザーがあるとします。
また、2 つのファーム(ファーム 1 とファーム 2)もあります。
第 1 のホストを使用してファーム 1 のリソースをホストし、もう 1 つのホストをファーム 2 のテンプレートとして使用することを計画しています。両方のホストはハイパーバイザー上で同時に実行されますが、各ホストはそれぞれのファームでのみ利用可能になります。
ここで問題となるのは、RAS Guest Agent は通常 1 つの RAS Provider Agent と通信できますが、各ファームにはそれぞれ独自の RAS Provider Agent があるため、このままではうまく機能しないことです。解決策は、ホストで実行している RAS Guest Agent が、1 つの特定の RAS Provider Agent のみを認識すると同時に、必要に応じて割り当てを変更できるようにすることです。
割り当ては Windows レジストリを介して行われます。VDI プールに属するすべてのホストとテンプレートから作成されたホストクローンは、RAS Provider Agent の名前またはアドレスを指定する新しい文字列値 2XVDIAgent
を持つ必要があります。値を追加するには、次の手順に従います。
仮想マシンで実行されている Windows にログインし、レジストリエディター(regedit)を開き、以下のキーを探します。
32 ビットシステム:
HLKM\Software\Parallels\GuestAgent
64 ビットシステム:
HLKM\Software\WOW6432Node\Parallels\GuestAgent
2XVDIAgent
という名前の文字列値を追加します。値のデータは、次のように指定する必要があります。専用の RAS Provider Agent を使用する場合、値には、エージェントがインストールされているサーバーの FQDN または IP アドレスを設定してください。
組み込みの RAS Provider Agent を手動で選択して使用する場合は、値に RAS Connection Broker の FQDN または IP アドレスを設定してください。
ビルトイン RAS Provider Agent を使用し、エージェントが自動的に選択される場合(高可用性)、文字列には、すべての RAS Connection Broker の FQDN または IP アドレスを、セミコロンで区切って含める必要があります(例: <PA1 address>;<PA2 address>;<PA3 address>)。
手動エージェント選択シナリオ(上記の 2 番目の項目)でも、複数の Connection Broker の名前または IP アドレスを含められることに注意してください。このようにすれば、プロバイダーの推奨 Connection Broker を切り替えるたびに値を変更する必要はありません。