優先ルーティングを構成

概要

優先ルーティングは、地理的に異なる展開の Parallels RAS ユーザーが、同じ Parallels RAS ファーム/サイトに接続する場合に便利な機能です。リソースが同じ RAS ファーム/サイト内の別のデータセンターにある場合、共通のアクセスレイヤーの使用(RAS Secure Gateway、HALB、またはサードパーティのロードバランサー)は最適ではありません。この問題を解決するには、特定の公開済みリソースに対して優先的なアクセスレイヤーサーバーを設定します。この場合、ユーザーはデフォルトの Secure Gateway に接続しますが、管理者が設定した近接ルールを使用してリダイレクトされることになります。一般的に、セッションホストに最も近接した Secure Gateway を使用することで、ユーザーエクスペリエンスの向上、内部ネットワークのトラフィックおよび関連コストの削減、リソースの有効活用が可能になります。

注: 優先ルーティングは、Azure Virtual Desktop の公開済みオブジェクトには適用されません。

優先ルーティングは次のように動作します。

  1. Parallels Client は、標準的な認証を使用して Secure Gateway との接続を確立します。

  2. RAS Connection Broker を通じて、リソースの優先ルート(設定されている場合)が特定されます。

  3. Parallels Client は、リソースを起動するための優先パブリックアドレスを受け取ります。

  4. Parallels Client はリダイレクトされたアドレスからリソースを起動しようとします。これが失敗すると元のゲートウェイにフォールバックします。

優先ルーティングを構成

公開済みリソースに対して優先ルーティングを構成するには

  1. RAS Console で [公開] カテゴリーを選択します。

  2. 既存の公開済みリソースを選択し、[ルーティング] タブを選択します。

  3. [優先ルーティングを有効にする] オプションを選択します。

  4. [タスク] > [追加] をクリックします。[優先ルーティングを追加する] ダイアログが開きます。内容をご確認ください。

[優先ルーティングを追加する] ダイアログで、以下の操作を実行します。

  1. このルーティングの名前と説明(オプション)を入力します。

  2. [タイプ] ドロップダウンリストで、次のいずれかを選択します。

    • HALB 仮想サーバー: [タイプ] フィールドの下のリストから、HALB 仮想サーバーを選択します。ここでは HALB サーバーを追加できないため、RAS の HALB 仮想サーバーをリストに表示するには、HALB サーバーでパブリックアドレスを指定する必要があります。

    • Secure Gateway: 前述の HALB 仮想サーバーと同様に、ゲートウェイをリストに表示するには、[パブリックアドレス] フィールドに値を指定する必要があります。RAS Secure Gateway を作成または構成する際には、[パブリックアドレス] フィールドを参照してください。

    • カスタム: サードパーティのロードバランサーが使用されます。このオプションを選択してから、[タスク] > [追加] をクリックし、フィールドの下のリストでサーバーのプロパティを指定します。プロパティには、名前説明パブリックアドレスポートSSL ポートがあります。必要な台数のサーバーを追加し、その中から特定の公開済みリソースに使用するサーバーを選択することができます。

優先ルーティングを設定する際には、以下の点も考慮してください。

  • ルーティングに失敗した場合は、発信元アドレスへの自動フォールバックが実行されます。

  • RAS Console でルーティングが有効になっているものの未構成の場合、管理者にはエラーメッセージが表示され、構成を実行するか、無効にするように求められます。

  • 多くのリソースにルーティングを構成する必要がある場合は、フォルダー(管理目的で構成)を使用することをお勧めします。子オブジェクトでルーティングが有効になっている場合、親フォルダーからルーティングが継承されることはなく、1 つのルーティングセットのみが使用されます。

  • RDP トラフィックを同一の RAS サイトにリダイレクトする際には、同じユーザー認証情報が使用されます。ユーザーが認証情報を再入力する必要はありません。

  • 既存のセッションが特定の Secure Gateway にトンネリングされており、セッション共有を使用している場合は、構成済みのルーティングにかかわらず、同じセッションのワークフローパスが使用されます(公開済みリソースが同じセッションホストで利用可能な場合)。

  • ルーティングは SAML 環境でサポートされています。

  • サポートされているクライアントは、Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Web です。

ユーザー招待時のパブリックアドレスの指定

[ユーザーの招待] ウィザードでは、対象となるプラットフォームや接続オプションを指定する 2 ページ目で、パブリックアドレスを指定することができます。これにより、特定の地理的ロケーション所在するユーザーのグループに対して、優先ルーティングを設定することができます。詳細については、「ユーザーを招待」を参照してください。

Gateway や HALB の削除と無効化

Gateway や HALB が優先ルーティングとして使用されているときに、管理者がこれを削除しようとすると、そのゲートウェイや HALB を使用しているオブジェクトの情報が画面に表示されます。これにより誤って削除するリスクを回避できます。

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